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SDGs(持続可能な開発目標)とは
『SDGs(エス・ディー・ジーズ/Sustainable Development Goals):持続可能な開発目標』とは、2030年までに世界が一丸となって貧困・自然災害・不平等・気候変動といったあらゆる問題を解決し、未来に向けて成長を続ける「持続可能な世界」を構築するための国際目標です。
SDGsは、前身となる『MDGs(ミレニアム開発目標)』を引き継ぐ形で2015年の国連サミットにて採択され、世界が抱える問題を解決していくことを目指すこの取り組みには、発展途上国だけでなく日本を含む先進国も参加しています。
SDGsは一般的な国の政策とは異なり、大人から子ども供まで、今を生きるわたしたち一人ひとりの「意識」が重要となってくる取り組みです。
いまやビジネスの鍵とも言われ、至るところで目にするようになったSDGsですが、今回はそんなSDGsの具体的な内容について詳しくご紹介していきます。
なぜSDGsが必要なのか?
人々の暮らしをより豊かにするため、そして世界が経済成長を続けるためには莫大な資源の投入が必要不可欠であるとされています。
「無限ではない資源をこのまま使い続けて問題ないのだろうか?」
世の中でそんな疑問が浮上してきたころです。1972年、米国マサチューセッツ工科大学が「成長の限界」というタイトルで、このままの調子で地球資源を使い続ければ世界経済の成長は100年以内に限界を迎えると発表し、世界に衝撃を与えました。
https://www.diamond.co.jp/book/9784478200018.html
その後、資源の枯渇を回避しながらも世界が成長を続けるにはどうすれば良いかが話し合われ、「持続可能な開発(Sustainable development)」という概念が生まれました。
この概念こそがSDGsの根幹であり、いま世界に必要とされているのです。
SDGsが生まれる前にも、持続可能な開発をするために幾度も議論と実践が試みられてきましたが、いずれも政府が解決すべき問題として終わってしまい、個人レベルにおりないことが欠点とされていました。世界を維持発展させるためには、やはり一人ひとりが当事者意識を持たなければなりません。
そういった意味で、民間企業や個人にも取り組みを呼びかけるSDGsは人類全体を巻き込む挑戦であり、これからも世界の成長を止めないための処方箋として大きな期待が寄せられています。
次の章ではSDGsの掲げる「17のゴール」を見ていきましょう。
SDGsにおける17のゴール
SDGsとは、<Sustainable Development Goals>の略称であり、参加国がそれぞれ取り組むべき17のゴール(目標)が設定されています。
<使用ロゴ:国際連合広報センター>
目標1:貧困をなくそう
ーあらゆる場所・あらゆる形態の貧困を終わらせる
目標2:飢餓をゼロに
ー飢餓を終わらせ、食料安全保障 及び栄養の改善を実現し、 持続可能な農業を促進する
目標3:すべての人に健康と福祉を
ーあらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する
目標4:質の高い教育をみんなに
ーすべての人に包摂的かつ公正な質の高い教育を確保し、生涯学習の機会を促進する
目標5:ジェンダー平等を実現しよう
ージェンダー平等を達成し、すべての女性及び女児のエンパワーメントを行う
目標6:安全な水とトイレを世界中に
ーすべての人々の水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する
目標7:エネルギーをみんなに そしてクリーンに
ーすべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的なエネルギーへのアクセスを確保する
目標8:働きがいも経済成長も
ー包摂的かつ持続可能な経済成長及びすべての人々の完全かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい雇用(ディーセント・ワーク)を促進する
目標9:産業と技術革新の基盤をつくろう
ー強靭なインフラ構築・包摂的かつ持続可能な産業化の促進 及びイノベーションの推進を図る
目標10:人や国の不平等をなくそう
ー国内及び各国家間の不平等を是正する
目標11:住み続けられるまちづくりを
ー包摂的で安全かつ強靭(レジリエント)で持続可能な都市及び人間居住を実現する
目標12:つくる責任つかう責任
ー持続可能な消費生産形態を確保する
目標13:気候変動に具体的な対策を
ー気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講じる
目標14:海の豊かさを守ろう
ー持続可能な開発のために、海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する
目標15:陸の豊かさも守ろう
ー陸域生態系の保護、回復、持続可能な利用の推進、持続可能な森林の経営、砂漠化への対処ならびに土地の劣化の阻止・ 回復及び生物多様性の損失を阻止する
目標16:平和と公正をすべての人に
ー持続可能な開発のための平和で包摂的な社会を促進し、すべての人々に司法へのアクセスを提供し、あらゆるレベルにおいて効果的で説明責任のある包摂的な制度を構築する
目標17:パートナーシップで目標を達成しよう
ー持続可能な開発のための実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する
一見すると内容がバラバラに見えるこれら17のゴールですが、いずれも影響を及ぼし合う相関関係にあり、輪で描かれたSDGsのロゴがそれを表しています。
<使用ロゴ:国際連合広報センター>
「社会」「経済」「環境」の3つを軸に構成されるこれらのゴールは、開発途上国から先進国まで、すべての国が取り組むべきユニバーサル(普遍的)な目標として掲げられています。
その理由として、SDGsの前身である『MDGs(ミレニアム開発目標)』では開発途上国における問題解決が主眼となっていたためで、今回のSDGsでは開発途上国のみならず先進国も同様に直面している問題の解決を目指しているのです。
また、これらの17のゴールに向けた取り組みに関しては、先述の通り政府にとどまらず、企業・自治体・個人レベルでの参加が呼びかけられています。
それでは、目標達成のために世界ではどのような取り組みが行われているのでしょうか?達成状況と併せてご紹介していきます。
SDGs:国別の達成状況
「地球上の誰一人取り残さない(leave no one behind)こと」を誓ったSDGsの取り組みは、国により取り組み方や達成状況はさまざまです。
持続可能な開発ソリューション・ネットワーク(SDSN)は、ドイツの最大財団であるベルテルスマン財団と共同で、毎年「各国のSDGs達成状況」を報告しています。
2021年6月14日に発表された最新のデータによると、達成度ランキングは上位からフィンランド、スウェーデン、デンマークと北欧が占め、そこにドイツ、ベルギーが続きます。
全体を通してヨーロッパ諸国が上位にランクインする結果となり、日本は2019年の15位、2020年の17位から更に順位を落とし18位に後退しました。
Sustainable Development Report 2021: https://s3.amazonaws.com/sustainabledevelopment.report/2021/2021-sustainable-development-report.pdf
SDGs国家・デンマークの取り組み
世界の具体的な取り組みとしては、デンマークのSDGsに基づいたイノベーションラボとなる「UNLEASH (アンリーシュ)Lab」の活動が注目を浴びています。
「UNLEASH Lab」はデンマークの非営利団体によって運営され、会合には約7,000人もの応募の中から選ばれた1,000人の学者や起業家といった若者たちが世界108カ国から集結し、チームに分かれてSDGsに関するソリューション(解決策)を生み出しました。
会場では、「SDGsの問題について何を思うか」「どうすれば解決への道筋が見えてくるか」などの活発な意見交換が行われ、参加者それぞれのSDGsに関する意識・問題点・解決策が熱く話し合われました。
重要なポイントは、ただ話し合われただけでなく、生み出されたソリューションが実際に企業や組織での取り組みに活用されているという点です。
こうした連携プレーを実践するデンマークがSDGsにおいて高い達成率を誇っていることからも、SDGsの取り組みには個人レベルでの問題意識が大切であることがわかります。
日本の取り組み
アジア諸国でSDGs達成のトップを獲得した日本では、SDGsに取り組むにあたり行政機関がきちんとした連携を図れるよう、「持続可能な開発目標(SDGs)推進本部」が立ち上げられました。
また、より多くの組織を巻き込むべく、SDGsに積極的に取り組んでいる企業や団体を表彰する「ジャパンSDGsアワード」を設けています。
https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/sdgs/award/index.html
まちづくり分野においてもSDGsモデルを構築すべく、内閣府はSDGs達成のために取り組むことを表明した60の都市を「SDGs未来都市」に選定し、特に優れた20の事業を「自治体SDGsモデル事業」とし、支援することを表明しました。
https://www.chisou.go.jp/tiiki/kankyo/index.html
このように、日本国内においても企業や組織を中心としてSDGsに向けた取り組みが行われています。
ここから更にSDGsへの取り組みを国に浸透させていくためには、先頭をいくデンマークのように、わたしたち国民一人ひとりがSDGsに関する知識と問題意識を持つことが重要になってくるといえるでしょう。
まとめ
SDGsは地球上の「誰一人として取り残さない」という誓いのもと、設定した17のゴールと169のターゲットを、全世界が力を合わせて2030年までにクリアすることを目指しています。
国によって取り組み方や進行状況は異なりますが、世界がひとつとなって明るい未来を作るというこの大きなプロジェクトでは、政府や企業のみならず、国民一人ひとりの問題意識と解決に向けた行動が目標達成のための鍵となります。
SDGsの掲げる目標に近づくためには、私たち全員が個人レベルで出来ることを行うことが欠かせません。
17のゴールに記された数多くの問題に個々人が関心を持つことは、結果としてこれからの世界の持続的成長に繋がります。いまこそSDGsに関する理解を深め、世界の未来のための取り組みに参加していきましょう。
MY SCHOOLを運営する(株)VIAは「地方創生SDGs官民連携プラットフォーム」に参画しています。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000004.000058580.html
https://www.chisou.go.jp/tiiki/kankyo/index.html
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