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アメリカ流!褒めの文化【非認知能力とはNo.28】

アメリカのボストンに住む筆者が、日々感じる、日本とアメリカの教育の違いや発見をつづります。今回は褒めることについて。

『褒める子育て』や『褒めて伸ばす』などという言葉は特段目新しくないかもしれませんが、アメリカ流の褒める文化は、我が家に現在進行形で良い効果を生んでいます。

「褒める」を重視

アメリカに来てから二年弱が経とうとしています。この間息子が何度も口にしたのは「アメリカの人は、本当に優しい人が多いよね。」ということ。学校の先生も、街で出会う大人も、友だちも優しい人が多いと日々感じているそうです。彼が比較対象にしているのは日本の人。日本人としては少々複雑な気持ちにはなりますが、子どもがしみじみ言うのですから、本当にそう感じさせる人々がここには多いのでしょう。理由はいくつかあるようですが「先生とか、野球のコーチとか、大人は絶対に自分のことを褒めてくれる。」と必ず言います。

確かにアメリカでは子どもが失敗した時でも責めることはあまりしません。それよりも、できたことをたくさん褒めることで、正しい方向へと導くようにします。

もちろん悪いことをしたらきっちり叱りますが、褒める回数と叱る回数が日本とは格段に異なるようです。

とにかく人を褒める場面にはよく遭遇します。遭遇しすぎて褒めていることに気づかないことがあるくらい、会話の中に褒め言葉が散りばめられています。

That’s a good question.

子どもが何かを質問したとき、先生は良くこの言葉を使います。大した内容のことを聞いていなくても「良い質問だね。」と言ってもらえることは、英語が全く話せなかった我が子たちのような子にも効果絶大です。その効果とは自己肯定感の高まりと質問することへのハードルが下がること。

日本にいたころ、息子は真面目で臆病な部分があり、人の前で絶対に失敗したくないという強い思いがあったように思います。先生の話が理解できずに質問をするなどということは、彼にはとてつもなく高いハードルでした。

こちらで出会った先生方や大人は、些細なことでも出来たことに注目して褒めてくれるので、自信をもって発言するようになりました。わからないことを聞くことや、失敗する自分も受け入れることができるようになったのです。このことは、間違いなく彼の生きていく力になってくれると感じています。

本当に自己肯定すると素直になれる

私は職場で部下や新人の指導をすることがあり、仕事の飲み込みが速い人や、成長出来る人には共通して素直さがあると思っています。地域柄、高学歴の人材は多いですが、プライドが高かったり、過去の息子のように自分の間違いを受け入れられないタイプの人は仕事が出来る人とは言い難いものがあります。

子どもたちが周りの大人に褒められることで良い成長が見られると、自然と家庭でも褒める機会が増えました。文化の面から、英語の方が褒めることには向いている言語のような気がするのですが、母語が日本語の我が家では日本語で褒めることを実践しています。

宿題やテストで間違いが多かったり、進みが悪いことがあったとしても出来た部分に注目して「がんばったんだね。」とまずは褒めます。

急にたくさん褒めることが難しかったら、共感するだけでも充分だと思います。「こういう失敗することも、あるよね。お母さんもそうだわ。」と言うだけで、必要以上に自信を失わずに済むのです。

なぜそこまで気をつかって褒めなくてはいけないのか、と感じる方もいるかもしれません。

アメリカでは歯の浮くような褒め言葉をサラっと言ってしまう人も多いので、それに匹敵することを目指そうとすると、難易度が高くなることは多々あります。

しかし、柔軟な自尊心を保つことが、これからの人生でとても重要だと感じるのです。

別の記事で書く予定ですが、昨今アメリカでは人種差別の問題が大きく存在しています。人種的マイノリティである日本人の子どもたちが生きていくには、自分を認める力と他者の考えを理解しようとすることが必要不可欠なのです。

人種差別の問題などに限らず、自分を認める力というのは、必要以上に自己否定せずに新しいことや知らなかったことを吸収するのに有効な力です。どこに住んでいたとしても、生きる力になる非認知能力の一つだと思います。

先に書いたように、素直な人が成長しやすいのは、自分の根本を否定しないで、やり方や考え方を見直すことに柔軟だからだと思います。

先の見えない未来だから

「褒める」を重視することで、子どもは失敗を恐れず多くのことに前向きに取り組めるようになります。その環境を作ってあげられるのは、まず家庭から。子どもの間違いを指摘することは、意識せずとも多くの親がやってしまいます。それなら枕詞のように、まず褒め言葉を前置きして話し始めてみるというのはいかがでしょうか。はじめは難しくても、少しずつやっていくと親の褒める力も伸びるものです。


こちらもぜひ!アメリカの子どもは体験型教育で学ぶ【非認知能力とはNo.19】

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