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証券市場の役割とは?案外知らない証券市場

はじめに

皆さんはニュースなどで証券市場という言葉を聞いたことはありますか?投資を始めた人なら聞いたことがある人も多いと思いますが、証券市場はどんな役割を担っているのか詳しくご存知ない方も多いのではないでしょうか。

今回は、証券市場の役割について簡単にご説明します。後半ではおうちでお子さんも楽しめるバーチャルツアー体験などもあわせてご紹介します。ぜひ参考にして、家族でお金の勉強をするのにお役立て下さいね。

証券市場の役割

証券市場の役割は主に「投資家のマッチング」があげられます。詳しく説明していきましょう。

株を売買したい投資家のマッチング

証券市場は株を売りたい投資家と買いたい投資家のマッチングをしてくれるところです。

たとえば、あなたが持っている本を売りたいとします。その場合、どのように売るでしょうか。古本屋さんに持っていったり、今はフリマサイトを使ったりしますよね。街で手当たり次第に声をかけて、買ってくれる人を探すなんてことはしないはずです。古本屋さんやフリマサイトは、本を売る人と買う人をマッチングしてくれます。

株を売りたい・買いたい場合も同じです。証券市場に売りに出したり買いの注文をしたりすることで、売る人と買う人のマッチングをしてくれるのです。

株を買うには証券市場を通すのが一般的

あなたが株をほしいと思った場合、証券市場を通して買うのが一般的なやり方です。ただ、いきなり証券市場に行って「株をください」といっても買えません。

証券市場は売りたい人と買いたい人のマッチングを行っておりますが、個人から直接注文を受け付けてはいないからです。

株の注文は証券会社が引き受けてくれます。証券市場の株を売買したい場合は、証券会社に証券口座を開く必要があります。証券会社があなたと証券市場の仲介役を担ってくれるというわけです。

証券市場ですべての株が買えるわけではない

では証券市場ですべての株式会社の株が買えるのでしょうか。

答えはノーです。その理由をお伝えする前に、証券取引所について簡単に説明させてくださいね。

証券市場は証券取引所の中にあります。証券取引所がショッピングモールで、証券市場がそこに入っている店舗というイメージがわかりやすいでしょう。

証券取引所としては東京証券取引所(東証)がもっとも大きく有名で、他には名古屋、福岡、札幌にあります。証券市場は東証一部、東証二部、マザーズ、JASDAQ(ジャスダック)などがあります。これらの名前を聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。

(注:2022年4月4日、日本取引所グループ(JPX)傘下の東京証券取引所が運営する株式市場は、プライム市場・スタンダード市場・グロース市場の3つの新しい市場区分に移行されます。https://www.jpx.co.jp/announce/20210405_index.html

先ほど「証券市場ですべての会社の株が買えない」とお伝えしましたが、それはなぜなのでしょうか。

たとえば、あなたがショッピングモールへ行って色んなお店を巡っているとしましょう。欲しい商品があったとしても、そのお店で売っていないものは買えないですよね。

あなたが欲しいと思っている商品は、お店側からしたら売り場に置くための基準を満たしていない場合があります。それと同じことが証券市場にもあるのです。

証券市場では、誰にでも簡単に株を売買してもらうため、取り扱う株について審査をしているのです。この審査に通って、市場に並べてもらってはじめて投資家は自由に売買できるのです。

これを「上場(じょうじょう)」と言います。聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。証券市場に上場している株は自由に売買できますが、そうでない株は売買が難しくなります。

証券市場を通して取引するメリットは?

株の売買は証券市場を通すのが基本だということがわかりましたね。証券市場を通して取引をすることで、投資家や企業にとってどのようなメリットがあるのでしょうか。

簡単に説明しますね。

投資家は安心して株の売買ができる

証券市場に上場している株はすべて厳しい審査を通過しています。

そのため、証券市場の株は安心して取引ができるのです。もちろん、業績悪化による値下がりのリスクなどはありますが、売りたい人・買いたい人がいる限りは株を好きなタイミングで売買できるのが魅力です。

また、上場している株式会社の業績や配当・優待情報などを簡単に知ることができるのも大きなメリットのひとつ。開示されている情報をもとに、売ったり買ったりの判断ができるというわけです。

企業は自社株を売る機会ができる

企業にとってはどうでしょうか。証券市場に上場することで、投資家に自由に自社株を売買してもらえるようになります。

また、新しく株を発行する場合に証券会社を通して投資家に周知してもらうことで、自社株を売りやすくするメリットもあります。証券市場に上場をしておくと、資金調達がより簡単になりますね。

証券市場は投資家・企業双方にとって重要な場所

企業は自社株を売りやすくなるし、投資家も企業の株を自由に売買できるなど、証券市場は企業と投資家の双方にとって重要な場所であります。もし証券市場がなければ、企業は自社株を売る機会が圧倒的に狭められるし、投資家も株を自由に売買できません。

わたしたちが気軽に投資できるのは、証券市場があってこそですね。

まとめ

以上、今回は証券市場の役割についてご説明しました。

投資をしている人にとって、証券市場は大切な場所であることは理解していただいていると思います。しかし、こうした言葉での説明だけでは本当に必要なのか実感が湧きにくいものです。

現在は新型コロナウイルスの影響で休止していますが、東京証券取引所は実際に内部の見学もできます。今後もし機会があれば、遊びに行ってみてくださいね。今回のお話がより身近に感じられる良いきっかけになることでしょう。

現在、東京証券取引所のホームページからはバーチャルツアーが体験できますので、ぜひ覗いてみてください。展示されている貴重な史料の紹介や、その他にも色々な動画が公開されています。「あのニュースで見かけるのはここかな」とか、「あのドラマのロケ地かな」などなど、会話を楽しみながらお子さんとご覧になってみて下さいね。公式YouTubeチャンネルには、デジタル化する前の取引を解説している懐かしい動画も公開されていますので、現在と比べてみるのもとても勉強になりますよ。

また、今年の大河ドラマをきっかけに渋沢栄一や幕末などの歴史に興味を持たれたお子さんもいるのではないでしょうか。大阪取引所の「OSEギャラリー」という動画には、創設の発起人となった五代友厚や、先物取引などに関する歴史的価値の高い資料が紹介されていたりと、歴史好きなお子さんも楽しめる内容になっています。夏休みの自由研究の参考としてもオススメですよ。

おうちで過ごす時間が長い今だからこそ、ご家族と一緒にリモート金融ツアーを楽しんでみて下さいね。

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