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子どもの将来
第一生命保険による第32回「大人になったらなりたいもの」アンケートでは、小学生男子のなりたい職業第一位は「会社員」女子は「パティシエ」という結果が出ました。
出典:第一生命HP
ところで、ご家庭で「将来何になりたいか」という会話をしても「どうして働くのか」という会話はあまりしていないのではないでしょうか。
働くということはお金を得る手段である一方で、社会の一員としての意識を育てたり、やりがいを獲得することでもあります。
そして「働くこと」の意味を考えることは、お金の勉強になると同時に、子どもの生きる力を伸ばす手助けにもなるのです。
そこで今回は
・アンケートから見る「働く目的」
・子どもに働く理由を教えてみよう
という観点から「働くこと」について解説していきます。
1,アンケートから見る「働く目的」
内閣府の国民生活に関する世論調査で「あなたが働く目的は何ですか」との質問への回答、第一位は「お金を得るために働く」でした。
次いで
・生きがいをみつけるために働く
・社会の一員として、務めを果たすために働く
という回答が続きます。
このアンケートからも、仕事とはお金のためだけではなく、人とのつながりや、やりがい・喜びを目的としているともいえることが分かりますね。
2,子どもに働く理由を説明してみよう~親ができること~
この項目ではアンケートの回答に沿って子どもに働く理由を説明する方法や、それに関して親が子どもにしてあげられることについて解説していきます。
(1)生きていくためにはお金がかかるから
生きていくためにはお金がかかるため、お金を得るためにも働く必要があります。
しかし「生きていく」のにお金が掛かっていることを子どもが実感する機会は少ないのではないでしょうか。
子どもに「生きていく」のにお金がかかることを認識させるためには、鉛筆やノートなど子どもに身近な物の値段を意識しながら買い物をするのがオススメです。
また、目に見えないサービスについては「トイレのお水を流すのもお金が掛かってるんだよ」「お金を払わないとこのお家には住めないんだよ」と声掛けをしてみましょう。小学校高学年、もしくは中学生くらい子どもには、お家の家計簿や総務省が発表している「家計調査」(下図)を見せてみるのもいいでしょう。
出典:総務省「家計調査」
自分が生活するにあたって「何に」「どのくらい」お金が掛かっているのかを把握でき、金銭感覚を養っていくことができます。生きていくことにお金が掛かることを実感することで、お金を得るために働くというという理由が分かりやすくなります。
(2)やりがいを感じるから
アンケートでは働く目的の一つとして、やりがいを感じるという意見も見られました。
やりがいというものは人によって異なるため、同じ環境で同じ仕事をしていてもやりがいを感じる人と感じない人に分かれます。
そのため、親が子どもにしてあげられることは子どもの好きなこと・得意なことを伸ばし多くの選択肢を作ってあげることではないでしょうか。
例えば恐竜が大好きな子どもであれば図鑑を買ってあげる・博物館に連れていくなど、子どもが熱中する体験を増やしてあげましょう。
(3)社会の一員として働くのは、幸せにもつながるから
働くということはお金を得るだけではなく、仕事を通じて社会と通じ、社会に貢献することでもあります。人は働くことによって物やサービスを提供し、人々の生活を支えていきます。
また収入の中から税金を納めることによって国や地方公共団体という共同体の一員として社会に貢献していくことになります。
そして、他者貢献(人の役に立っている)の感覚は喜びを生みます。
「嫌われる勇気」で有名なアドラー心理学でも、「誰かの役に立っているという主観的感覚は自分の幸福につながる」としています。
(嫌われる勇気/岸見 一郎他/ダイヤモンド社)
以上より、社会の一員として働き、貢献することは幸せにもつながるということになります。
家庭で子どもの共同体意識や他者貢献の気持ちを育てるために有効なのは、なんといってもお手伝いです。お手伝いという仕事を通じて家族という共同体に貢献する意識や、他者貢献の喜びの感覚が育っていきます。
働くということは人の役に立ち、自分の幸せにもつながることだと子どもが実感できることで、働くことに対するポジティブなイメージを持つことができるようになります。
その他にもお手伝いには達成感を味わう・どうすればより良い成果を出せるか工夫するなど、非認知能力を伸ばすメリットがあります。
是非お子さんに、たくさんお手伝いをさせてあげてくださいね。
3,まとめ~ポジティブに働く親の姿を見せよう~
今回は働く目的や理由、それに関する親のできることについて解説してきました。
子どもは親の姿を通して仕事に関心を持っていきます。
冒頭の「大人になったらなりたいもの」調査でも、会社員が第一位になっているのは、テレワークで親の働く姿を身近に見ることができたからではないかと分析されています。
この記事が、少しでも読んでくださった方のお役に立てたなら幸いです。
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