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はじめに

前回記事では若い世代が「起業」をすることについて考察をしました。

日本の開業率は国際的に見ると低水準ですが、中小企業白書が発表している「在学中の学生の起業意識の推移」を見ていくと、学生の起業意識は高まっていることがわかります。

中小企業白書 2017「中小企業のライフサイクル」(2020/10/25参照)
https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/H29/PDF/chusho/04Hakusyo_part2_chap1_web.pdf

ITが普及し、PCがあれば起業できる環境が整ってきたことや、官民が取り組んでいる、若者の起業を増やす取組みが奏功しているのかもしれません。

そして、一番大きな要素は、もしかしたら理解のある親の存在なのかもしれません。

若くして起業した先輩達は数多くいますが、今回は2名の実例をご紹介したいと思います。

先輩達の実例①

株式会社クリスタルロードの加藤路瑛さんは、クラウドファンディングで115万円を調達し、中学1年生のとき、12歳で親子起業スタイル(親が代表取締役として法人を設立し、子どもが代表権のない取締役社長になる起業スタイル)で起業しました。

小さい時からお母さんの職場に出入りしていたり、祖父母の営んでいた民宿でお手伝いをよくしていた加藤さんは、「早く働きたい」「働いたり、お金を稼ぐことはかっこいい」「誰よりも早くいろんなことを経験したいと思っていた」と自社コーポレートサイトで語っています。

中学校に入学して化学に興味を持った加藤さんは、実験道具を集めて家で実験をやってみようと計画をしていたところ、お母さんが買ってきてくれたケミストリークエストという元素記号のカードゲームを作ったのが同い年の男の子だったことを知り、驚いたそうです。

それから、お母さんと2人でどうやって12歳で社長になれるのかを調べ、CAMPFIREで事業立ち上げの資金を募り、親子起業スタイルで起業をしました。

当初は事業の相談をしても批判があったりする中で、事業資金という形で応援してくれる大人や、一番身近なお母さんの理解と、心強いサポートがあったのです。

小中高生の起業支援、小中高生向けの事業・商品企画相談やセミナー講師など、精力的に活躍する加藤さんのこれからがとても楽しみですね。

※参考
・株式会社クリスタルロード:https://crystalroad.jp/
・キャリアハック:https://careerhack.en-japan.com/report/detail/1066

先輩達の実例②

2018年6月12日にレシート買取サービス「ONE」を開始したWED株式会社(旧商号:ワンファイナンシャル株式会社)の代表取締役である山内奏人さんは当時17際の高校生でした。

6歳の時、お父さんから中古パソコンをもらったのが、パソコンとの出会い。

Excelでお小遣い帳を作ったり、Wordで家族旅行のしおりを作って遊んでいたそうですが、親から「便利だね」とほめられるのが嬉しかったそうで、そのうちに「もっと違うことをしてみたい」と思うように。

10歳の時に図書館でプログラミング関連の本を見つけ興味を持ち、「思い描いたものを形にすることができる」プログラミングに、ますます興味を持つようになり独学で勉強をしたそうです。

小学校6年生の時には「中高生国際Rubyプログラミングコンテスト」15歳以下の部で最優秀賞を受賞し、中学生ではビジネスプランコンテストで優勝、複数のベンチャー企業でエンジニアとして働く傍ら、15歳で起業というスゴイ経歴です。

中学時代は友達と「It is IT」という団体を設立し、プログラミングワークショップを開催したり、プログラミングを通してのボランティア活動など、積極的に活動されていました。

山内さんは、これらの活動の中で気づいた「新しい学びの形」を紹介するため、TEDxKids@Chiyoda2013にも登壇しています。

Chiyoda 2013 TEDxTalk Session2出演時の様子
出典:TED http://tedxkidschiyoda.com/speakers/1573/

また、中学2年生のときに、「世の中の役に立つようなシステムを開発するため、世界中で起こっていることを学びたい」と考えた山内さんは、International School of Asia, Karuizawa(http://isak.jp/)のSummer Schoolに参加をしたいと考えましたが、高額な費用がかかるため、その費用約40万円をクラウドファンディングで集めました。(山内さんは、有料プログラミング講座の費用や新しいパソコンも、親からの援助ではなくご自身で賄ったと語っています。)

クラウドファンディングの募集時のコメントで、山内さんは下記のように語っています。

「教育を受けた者は、学んだことを社会に還元する義務がある」と母から言われて育ちました。
Summer Schoolで学んだことは、自分だけの学びで終わらせるのではなく、まわりの人たち、また自分たちがひらくワークショップを通して、たくさんの小中学生にも伝えていきます。そして、将来は社会のために役立てる人材になれるよう努力を続けます。

そんな山内さんが経営するWED株式会社は、現在様々な企業とも連携し、多数のサービスを運営しているようです。

“あたりまえを超える” ことを目指している山内さんの事業は、これからも高付加価値のサービスを世の中に提供し、益々の発展を遂げていくでしょう。

※参考
・WED株式会社:https://wed.company/
・日本経済新聞「U-18起業家、輝く原石「21世紀少年」たち」:https://www.nikkei.com/article/DGXMZO25214410Y7A221C1X11000/?n_cid=DSREA001

まとめ

若いときは資金力がなかったり、私たち大人が起業するよりも人脈が無いかもしれません。

その一方で、若いときは、世の中の変化に対する感度や対応力が高かったり、若さ自体がブランドとして武器になったり、マーケティングツールとして活用できることもあるでしょう。(熱中できる時間があることも、学生の強みかもしれません。)

学生起業家は世界中に数多くいますが、アメリカでは、マイクロソフトのビル・ゲイツ氏や、Facebookのマーク・ザッカーバーグ氏、日本ではソフトバンクの孫正義氏らが学生時代に起業して、今も世の中に大きな価値を提供しています。

私たち大人は子どもより長く生きてはいますが、世の中の全てを知っている訳ではありませんし、これからの世界がどうなっていくか、そして子どもの将来も、私たちには未知数です。

今まで常識とされているものも、覆される世の中になるかもしれません。

かの有名なアインシュタインは「常識とは十八歳までに身につけた偏見のコレクションのことをいう。」と述べていますが、私たち親の常識に囚われない、そして、私たちにはなかった価値観や選択肢を、子どもは自由に発想し実行できる力を秘めているのではないでしょうか。

それを起業という形で実現し、時には失敗しつつも、少しずつ成長する子ども。

そのビジョンに共感してくれる仲間も次第に集まってきて、きっと事業も成長するでしょう。

しかし、最初の応援団は、親である私たちなのではないでしょうか。


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