はじめに
本記事をご覧頂いている皆様の中には、仕事をされている方も多いと思います。
仕事とは誰かを助けることですから、仕事をすることは社会の中の「助け合い」に参加していると言い換えても良いでしょう。人の役に立つことが仕事になり、人はその仕事に対価を支払います。
しかし、劇的な変化が起こっている現代社会では、機械が人よりも人の役に立ってしまうかもしれません。
英オックスフォード大学でAI(人工知能)などの研究を行うマイケル・A・オズボーン准教授は、その論文の中で、「人が行う仕事の約半分が機械に奪われる」と予測したのは有名な話でしょう。
オズボーン准教授は、その論文でこのように結論付けています。
‘ For workers to win the race, they will have to acquire creative and social skills.
労働者が(AIとの)競争に勝つためには、創造的で社会的なスキルを身につける必要がある。’
私たち、そして特にこれから労働市場でAIと戦わなければいけない子どもたちは、創造的で社会的なスキルを身につける必要があるのです。
では、このような創造的で社会的なスキルとは、一体どのようなものなのでしょうか?
創造的で社会的なスキル
1. 創造的スキル
創造的スキルは、斬新で価値のあるアイデアや、芸術を生み出す能力と言われています。
深層学習により、今後はAIにも創造的スキルが実装される可能性はありますが、現在では人の手助けが必要であり、AIに代替されてはいないと言ってよいでしょう。
また、人は過去の情報が無くても、常識や直感、感覚といったもので判断ができますが、AIにはできません。
「とりあえずやってみる」ようなことも、圧倒的に人が得意とするところでしょう。
2. 社会的スキル
社会的スキルは、交渉や説得、気遣いや共感といった能力と言われています。
こちらも研究は進んでいるようですが、人間の自然な感情をリアルタイムで認識するという能力は、まだAIにとって難しい問題のようです。
また、社会的なスキルはAIが進化したとしても、人に受け入れられるか?という問題もあります。
例えば、子どもが通う学校の先生がAIだったら、どうでしょうか?
また、医師から診断結果を教えてもらう場面で、AIだったらどうでしょうか?
やはり人の心情として、共感をもって寄り添ってもらいたいと思うのではないでしょうか。
まとめ
AIはここ数年で更に機械学習や深層学習により進化をしています。
これから到来するAI時代がどのようなものになるのか、まだ誰も確実な予想はできないでしょう。
私たちができることは、創造的で社会的なスキルを身につけ、そして子どもにも教えることです。
過去にも機械に労働が取って代わられた時代がありますが、人は教育によって新しいスキルを獲得し、機械を活用・共生してきたのです。
子どもたちにこのようなスキルを身につけさせる教育を行うことも、私たちの大切な「仕事」の一つなのではないでしょうか。