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サッカーは選手だけのものではない【非認知能力とはNo.5】

サッカー漬けの親子

私のある仲の良い友人は、小学校からサッカーを始め、大学を卒業しても社会人チームに所属し、今でもサッカーを続けています。そんな友人には中学生の息子がいます。彼も小学生からサッカーに打ち込んでいて、強豪校に進学しました。

彼の夢はプロサッカー選手になることです。世界のトップ選手は圧倒的な人気と、何十億円という年俸を得ることができ、サッカーをやっている人間であれば誰しもが憧れる存在です。私自身は運動音痴なのでスポーツとは無縁ですが、トップアスリートの試合は見ていて胸が躍りますし、生まれ変わったらああなりたいなと純粋に憧れます。

怪我、そして挫折

しかしある日突然の不幸が彼を襲います。不慮の交通事故に巻き込まれ、右脚に大怪我を負ってしまいました。プロ選手になるのは絶望的になってしまったのです。

親子は深く悲しみました。私も言葉をかけることもできないくらい悲しみに包まれていました。彼はしばらくはサッカーの試合を見るのも嫌だったほどです。数ヶ月経っても彼は塞ぎ込んでいました。そこでどうにか前に進んでもらおうと、私と友人はある話を彼にしました。

それは「サッカーに関わるのは、選手だけではない」という話です。

一歩下がり、視野を広げる

サッカーをイメージする時、たいていの人にとって主役は選手だと思います。しかし選手だけでは試合はできません。ボールやユニフォームを作る人、グランドを整備する人、医療チーム、栄養士、チームのスポンサー、そしてオーナー。

いろいろな人がいろいろな立場で「サッカー」という物を作り上げているのです。確かに彼はプロ選手になることは不可能かもしれませんが、他の立場であればサッカーに関わることはできます。一度は深く心の奥に封じ込めていたサッカー愛が、この会話を通じて彼の中で再び湧き上がりました。元々研究家肌の彼は、転んでも怪我をしない芝を開発することに興味を持っているようです。

このように、全てのことは一歩下がっていろいろな角度から見ると、それまで見ていたものはほんの一部であったと気付かされることがあるのではないでしょうか。

まとめ

子どもの視野を広く、視座を高くするには、親が小さいうちから「いろいろな見方や選択肢」が存在することを教えなくてはなりません。難しく聞こえるかもしれませんが、今回のサッカーの例でわかるように、全ての物事は多くの人たちが、それぞれ違う立場で関わり合い作り上げているのです。

大切なのは、子どもに「広げて物を見る」ことを習慣化させることです。子どもは往々にして目の前のことだけに意識が行きがちです。目の前のことに集中することは大切ですが、全体を見渡す力も同じくらい大切です。

何か見る時、子どもに違った視点を与えるよう心がけてみてください。


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