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子どもを正しく褒めて自己肯定感を高よう【非認知能力とはNo.20】

『自己肯定感』を高めて子どもの生きる力を伸ばす!

子どもが健全に育つために必要なもののひとつに、『自己肯定感(じここうていかん)』という非認知能力があることはご存知ですか?

これは『自尊感情』や『自己存在感』といった呼び方もされていますが、人が幸せに生きるための重要な要素として、主に心理学や社会学の方面で盛んに研究が続けられています。

2014年に、若者を中心に行われたアンケートで、世界的にみても日本人は自己肯定感が低いという結果が出ました。そこで、現在ではこの『自己肯定感』の重要性が日本国内でも見直されようとしています。

心理学では「人生は自己肯定感で決まる」といわれているほど影響力が強いものなので、親としては子どもの自己肯定感を高めてあげられる子育てを目指したいですね。

今回はおうちでも出来る子どもの自己肯定感を高める方法をご紹介していきます。ちょっとしたコツを押さえるだけで気軽にはじめられるので、是非最後までお付き合い下さい。

自尊感情研究者『モーリス・ローゼンバーグ』

まずは『自己肯定感』とは具体的にどういったものであるかをご説明します。

心理学では『Self-esteem(セルフエスティーム)』とも表現されており、自己肯定感とは主に「自分は尊い人間である」という自覚や、「自分のありのままの姿を大切にする」といった感覚のことを指します。

つまり、他者からどう評価されているかではなく、自分自身についてどう感じているかや、自分を価値のある人間として捉えられているかどうかに焦点が当たっているといえます。

この自己肯定感の研究における先駆者であり第一人者であるモーリス・ローゼンバーグ氏というアメリカの学者がいます。

彼は『自尊感情(自己肯定感の別称)』を測定する『自尊心尺度』というものを発見し、個人の自己肯定感を可視化できるアンケートを開発しました。このアンケートは未だにさまざまな研究において利用されています。

そのアンケート形式による研究結果では、自己肯定感が低い人は「勉強・人間関係・仕事」といったあらゆるシーンで不安感を抱きやすく、何事にも自信を持てずに挑戦ができないため、結果として低学歴・低所得に繋がりやすいことがわかりました。

逆に、自己肯定感が高い人は自分に自信があり、挑戦や努力をすることにも意欲的なので、どんな場合でも前向きに進むことができます。こういった姿勢や態度から、勉強や人間関係はもちろん、全体を通して成功を収めやすいというのが特徴です。

■自己肯定感が高い人の特徴

・ありのままの自分を認められる
・失敗しても落ち込まずに成長できる
・他者に対しても寛容である
・常に自然体でいられる
・周りの目に左右されることなく主体的に行動できる

単なる「自信家」とは異なり、「自己肯定感」が高い人は周りにも寛大で、人間関係が円滑なため社会において幸せを掴みやすい傾向にあるとされています。

心理学者からみた自己肯定感

スタンフォード大学のウェルネス教育の心理学者スティーヴン・マーフィ・重松教授は、自己肯定感について次のように語っています。


「ありのままでいいと本当に自分を認められたとき、人は変わります」

自己肯定感を高めようと頑張るのではなく、本当の意味で自分を肯定することが大切であり、「自己肯定感は誰しもに必要な生き抜く力である」というのが重松教授の考えです。

そして、実際に学生に接するときの事例として、授業では他の教師のように「なんでも話して下さい!」と言う代わりに、「あなたはあなたらしくしていればいい」と伝え、無理に発言を促(うなが)さないそうです。

そうすることで学生たちは安心して、逆に発言をするといいます。本来の自分らしさというものは、他者にありのままの自分を受け入れてもらえた時に表れる。ありのままの自分を他者に受け入れてもらうことで、自分を受け入れることができ、変わる勇気を持てるということを重松教授は力説しています。

でも、子どもの自己肯定感を高めてあげる前に一つ、知っておいてほしいことがあります。

正しく褒めて、自己肯定感を高める!

子どもの自己肯定感を高めるためには、正しく褒めてあげることがとても効果的です。

「正しく」というのは「間違った褒め方」があるからです。実践を始める前に、まずはこの間違ったやり方について知っておく必要があります。

親があまりにも「褒めること」に集中してしまうと、「ここを褒めたいからこうして欲しい」といった気持ちがどうしても出てきます。これは子どもにとってストレスになってしまうばかりです。

また、子どもの実力以上に評価してしまうことで、親以外の周りから受ける評価とのギャップに苦しんでしまう可能性が生じ、結果的に子どもの自己肯定感の向上には繋がらずに終わってしまいます。

例えば、子どもが描く絵を褒めてあげるとします。

その絵が本当に他者からみて「上手」であれば、親に褒めてもらうことで子どもは自信をつけますが、もし親の「褒めたい」がゆえの過大評価となると、「本当にそうかな?」と子どもは疑問に思います。

仮に親の言葉を信じてその場で自信をつけたとしても、周りからの実際の評価が伴わなければこの自信はすぐに崩壊してしまいます。これでは意味がありません。

それでは、「正しく褒める」にはどうすればいいのでしょうか?

おうちで実践してみましょう!

正しく子どもを褒めてあげるには、まずは子どもの良いところ・秀でているところを見つけてあげてください。

親側が「褒めたいところを褒める」のではなく、あくまでも子どもが「自分のここを認めて欲しい」と感じているところを褒めてあげることが大切です。

小さい子どもは自分が認めて欲しいところを、「お母さん、みて!」という言葉で示してくれるのでわかりやすいかもしれません。

何かを作ったり、上手にできたときに褒めてあげることは子どもの「本当の自信」に繋がります。

褒めるときには、ただ「すごいね!偉いね!」と言うのではなく、どんなところがすごかったかを示すコメントを添えてあげると、子どもの自己肯定感をより高めてあげることができます。

少し大きな子になると、直接「みて!」と言ってくれないので親の方から積極的に探してあげる必要があります。でもそれは慣れれば難しいことではありません。

勉強やスポーツ以外でも、家事のお手伝いをしてくれた時、兄弟の面倒をみてくれた時、何かに打ち込めた時、誰かに親切にした時にしっかりと褒めてあげるだけで、子どもの自己肯定感は高まります。

子どもが「認めてほしい」ところを見つけて褒めてあげる。

おうちで「正しい褒め方」を実践して、是非お子さんの自己肯定感と生きる力を伸ばしてあげて下さい。

<参考資料>

文部科学省
https://www.nier.go.jp/shido/leaf/leaf18.pdf

自尊感情とは?
https://www.shinga-farm.com/study/self-esteem-edu-vol1/

トロフィー生活
http://www.trophy-seikatsu.com/wp/blog/hyousyoukougaku/self-esteem.html

スタディーハッカー
https://studyhacker.net/self-esteem-high

Diamond online
https://diamond.jp/articles/-/256816


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