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はじめに
「債券」という言葉を知っていますか?金融を勉強する時に、必ず出てくる言葉のひとつです。なんとなく知っているけど詳しく説明できない方も多いのではないでしょうか。
今回は、知ってるようで知らない債券の基礎知識、債券を買う前に知っておきたい知識などについてわかりやすくご説明します。ぜひ参考にして、家庭内のお金の教育に役立てたり、子どもが金融に興味を持つきっかけのひとつとして利用したりしてくださいね。
債券ってなに?
債券は「さいけん」と読みます。さっそく、債券について分かりやすく解説しますね
債券とは借金のこと
債券は簡単にいうと、借金です。債券には次のような特徴があります。
・お金を借りる期間が決まっていて、それが終わればお金を返す
・お金を貸したお礼に、利息がもらえる
・債券をほしいという人がいたら、売ることができる
詳しく説明していきましょう。
たとえば、ある会社が新しく事業を始めたいとしましょう。そのために大きなお金を準備しなければなりません。会社は銀行から借りたり、株券や債券を発行してお金を準備します。債券というのは、先ほど説明したように借金です。私たち一般市民が会社に貸し出すことができるのです。
会社はお金を借りると、誰がいくら貸してくれたのか明確にするために証明書を発行します。これを「債券」と呼んでいます。
会社だけでなく、国も債券を発行しています。「国債」という言葉を聞いたことはありませんか?
国が発行する債券を「国債」、会社が発行する債券を「社債」と呼びます。
お金を借りたら、必ず返さなければなりません。でもいつまでに返すという約束をしてなかったら、いつまで経っても返してもらえないかもしれないですよね。
そんなことにならないように、債券ではお金の貸し借りの期間を定めています。その期間が終わったら、お金は必ず返すという約束になっているのです。この期間のことを「満期」と言います。
また、債券を買ったら、お金を貸したお礼として利息がもらえます。
債券の募集要項を見てみると、満期と利息については必ず記載されているので、興味がある人は自分の好きな会社の債券などを調べてみてくださいね。
さらに、債券はほしいという人がいた場合に譲ることができます。株式と同じように市場で売買できるのです。ここが、債券が単なるお金の貸し借りではないポイントですね。
株や投信信託に比べて安全な金融商品
債券は、株や投資信託に比べると比較的安全な金融商品です。
その理由として、
・発行元がつぶれない限り元本は返ってくる
・利息は必ずもらえる
の2点があげられます。
債券はお金の貸し借りなので、発行元の国や企業がつぶれない限りは、貸したお金は戻ってきます。また、株や投資信託の配当金や分配金は、企業の利益が出てないともらえない場合もありますよね。
債券は利息がもらえないということはなく、持っているだけで利息がもらえることが約束されています。
債券を売る側・買う側のそれぞれのメリットとデメリット
債券を売る側と買う側のメリットとデメリットについても見ていきましょう。
【債券を売る側】
メリット
・たくさんのお金を調達することができる
デメリット
・借りたお金なので、期限がきたら必ず返さなければならない
・借りたお礼(利息)を上乗せして返さなければならない
【債券を買う側】
メリット
・持っていると利息がもらえる
・発行元がつぶれない限りはお金は返ってくる
・自分が応援する企業に投資できる
デメリット
・お金が必要なときにすぐに換金できないことも
・誰かに譲る場合、投資した金額よりも低い還元率になるおそれもある
債券を買う前に知っておきたいこと
株や投資信託は少し怖いけど、債券なら買ってもいいかなという気になりますか?そう思った人のために、債券を買う前に知っておきたいことについてもご説明しますね。
証券会社の口座が必要
債券を買いたい場合は、証券会社の口座が必要になります。使いやすい証券会社を選んで口座を開設してくださいね。
ただし、買いたい債券が決まっている場合は注意が必要です。会社が発行する債券を社債と言いますが、証券会社によって取り扱っている「社債」が違うので、証券会社によっては買いたい「社債」を買えない場合があります。
もし買いたい社債がある場合は、取り扱いの証券会社を必ず確認するようにしましょう。
国が発行する「国債」は、国内の証券会社であれば大抵取り扱っているので、国債の購入キャンペーンや、使いやすさなどから証券会社を選んでも良いですね。
発行元の信頼度や利率をチェック
債券はお金の貸し借りです。
あなたがお金を誰かに貸す場合、名前や何をしている人かなどがわからないまま貸しますか?恐らくそんな人はいないと思います。なぜならお金を貸す以上、返ってくるという信用・信頼が必要になるからです。
債券を買う場合も同じことが言えますね。
あなたの大切なお金を貸すので、信頼のおける企業に貸したいものです。
判断基準は人それぞれですが、長年存続している企業である・利益を出し続けている企業である・過去に債券を発行して返却した実績がある、など、自分の基準で信頼できるかどうかを決めておきましょう。
なお、国が発行する国債は一般的に信用度が最も高いと言われています。国にお金を貸して、踏み倒されることはないという信頼があるのですね。
債券を買う場合、利率で選ぶのもひとつのポイントです。大切なお金を貸すのですから、利息は少しでも多くもらいたいですよね。ただ、債券の性格上、貸す側はリスクをあまり負わない点から、株や投資信託などのほかの金融商品に比べて利率は低めということは覚えておきましょう。
金融商品である以上リスクもある
これまで債券は他の金融商品と比べて比較的安全だとお伝えしました。しかし、金融商品である以上、当然リスクはあります。
・発行元が経営破綻するリスク
・満期を待たずに売る場合、価格が下がるリスク
・外国の債券を買った場合の為替のリスク
債券を買う前には、これらのリスクについて自分が許容できるかをしっかりと考えておきたいものですね。
ただし、
外国の国債は為替リスクが伴いますし、経営状態が良くない会社や国の債券は、デフォルトといって、お金が戻ってこなくなることもありますのでご注意ください。
さっきも言いましたが、詰まるところはお金の貸し借りです。しっかりと条件を確認しましょうね。
まとめ
債券は比較的リスクも少なく、安全に運用することができます。
お金の勉強をしていない人にとって、普段は聞きなれない債券ですが、子どもと一緒にどこの会社の債券を買うか選んでみたり、その結果どれだけお金が増えたりと、はじめてお金の運用を始めるにはいいかもしれません。
社債を子どもと一緒に購入することで、その会社がより身近になるなど社会の動きについても敏感になりますよ。