はじめに
最近では新型コロナウイルスの影響で海外旅行も難しい状況ですが、みなさんは海外旅行の際に「円の価値」について考えたことはありませんか?
他の国の通貨に交換する時や、海外でクレジットカードを使用した時に、日によって円の価値が変わることを体験された方もいらっしゃると思います。
円を他の国の通貨に交換するときの取引価格は「為替レート」と呼ばれ、世界中の金融機関が「外国為替市場」という場所で取引することにより決まります。
円はかつて1ドル=360円に固定されていましたが、1973年に変動相場制に移行したことにより、為替レートが変動するようになりました。最近では各国における新型コロナウイルスの感染拡大の状況や、政局、経済指標など様々な材料によって毎日変動します。
今回はみなさんが一度は聞いたことがあるけれども、よく分からなくなってしまいがちな「円高」「円安」について、簡単にご説明していきたいと思います。
円高と円安とは?
今回は代表的な通貨である、ドルと円のレートを例に考えてみましょう。
1. 円高
円高とは、他の国の通貨に対して円の価値が高くなることです。
例えば、「ドルよりも円の方が安心な気がするから、ドルではなく円を持っていたい!」とみんなが思うことにより、みんながドルを売ってでも円を買おうとすると、円の価値が上がるということですね。
前提として、今は「1ドル=100円」だったと仮定すると、みんなが円を買うことにより、円の金額が1ドル=90円など100円より安くなることを円高といいます。
これまで1ドルの商品を買うのに100円必要だったけれど、90円で買えるようになったということなので、「円」の価値が「高」くなった、だから「円高」と表現されるのです。
円高になったイメージは、下記の通りです。
ドルを持っている人 → 1ドル持っているのに、円では90円の価値しかなくなった。
円を持っている人 → 90円なのに1ドルの価値になった!
私たちが海外旅行に行く際には、円高の方が嬉しいですよね。また、海外から商品を輸入する際にも、たくさんの商品が買えるようになりますから、輸入が多い企業としては嬉しい状況です。
しかし反対に、輸出が多い企業としては、買い手側からすると商品が高くなりますので、他国が輸出している商品との競争に負けてしまうかもしれず、利益が出しにくい状況になります。
2. 円安
円安とは、他の国の通貨に対する円の価値が下がることです。
円高とは逆に、「円よりもドルの方が安心な気がするから、円ではなくドルを持っていたい!」とみんなが思うことにより、みんなが円を売ってドルを買おうとすると、円の価値が下がるということです
こちらも今は「1ドル=100円」だったと仮定すると、円の金額が1ドル=110円など100円より高くなることを円安といいます。
ドルを持っている人 → 1ドルなのに円では110円の価値になった!
円を持っている人 → 110円持っていないと1ドルの価値にならない・・・。
円安になると、上記の円高の例とは逆になりますので、海外旅行に行く際や、海外からの商品輸入が多い企業は嬉しくない業況になります。
一方、輸出が多い企業は海外で商品が売れやすくなりますので、利益をだしやすくなります。そうすると、その会社の価値が上がり、株価が上昇することがあります。(最近では安倍首相の辞職が話題になりましたが、アベノミクスの金融政策によりこの円安と株高が起こりました。)
まとめ
円高と円安は、その日本語から「どっちがどっち?」と混乱することが多いかもしれません。
簡単に覚えるには、「円の価値が高くなる=円高=海外旅行に行く際にお得」とセットで覚えておくと良いでしょう。
新型コロナウイルスが終息し、海外旅行にも行きやすい状況になりましたら、ぜひ親子で「円の価値」について話をするきっかけをつくってみてはいかがでしょうか。